Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

見るとそこは、さっき一同が甲府から指してきた時に、汗をしぼって一列に駈けた野呂川の右岸で、その胎内の間道をくぐり、その絶頂のとりでへでようとこころみた小太郎山そのものの姿は、唖然として立った六十人の眼のあなたに――。

かなり離れた渓流の向こうに、むらさきばんだ昼霞をたなびかせ、なにごとも知らぬさまに聳えている山の容こそ、小太郎山ではないか。いま、げんに、その山の腹をくぐり登っていたはずの山ではないか。

山掘夫、山にもてあそばる!

その時、穴に入るまえはらんらんとかがやいていた太陽が、もう西へまわって朱盆のように赤くくすんでいた。

毒水に酔う砦

一

その高原の一角に立てば、群山をめぐる雲のうみに、いま、しずもうとしている太陽の金環が、ほとんど自分の視線よりは、ズッと低目なところに見える。

で――まッ赤な逆光線の夕やけに照らされている小太郎山の上、陣馬ヶ原いちめんは、不可思議な自然美にもえあがっていた。

みやま菫の濃いむらさき色、白りんどうの気高い花、天狗の錫杖の松明をならべたような群生、そうかと思うと、弟切草や茅がやの穂や、蘭科植物のくさぐさなどが、あたかも南蛮絨毯を敷きのべたように、すみきった大気もみださぬほどな微風になでられてあった。