Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
それに、火縄の下にあったのも二箱か三箱なので、火に吹かれたのは山掘夫の十二、三人、あとは悲鳴の声のあがったのを見ても、いのちだけは助かったらしい。
咲耶子と竹童は、脱兎のように、軍師の間のそとへ飛びだしていた。そして、そのあとから伊部熊蔵と卜斎などが、黒けむりと一しょにはきだされて、ふたりのあとを追いかけた。
まえの井楼の下まできたとき、咲耶子は足をとめた。
「ちッ……」
なにかいおうとしたらしいが、いまになって焔硝にむせんで、あとのことばがでずにしまう。
竹童も、ハッとふとい息をついた。まッくろな煙の柱が、もくもくと宙天におどりあがっているのを見る。……
「わ、わたしは、少し思うところがあるから、ここに踏みとどまって、最後の力をつくします。竹童さん、おまえははやく樺の林へもどり、あすこにつないである鷲に乗って、ここを落ちておくれ、後生です。早くここを、逃げてください」
「に、逃げろッて?」
「ふたりとも、ここで斬り死してしまっては、民部さまへ事情を知らせる者がない」
「いやだ! いやだ、おいらは!」
生きのこった山掘夫どもが、もう向こうからワッワッとわめいてくるようすなのに、竹童は頑とそこをうごかないで、強くかぶりをふっていった。