Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「火事じゃないかしら」

「おう……ほんとに」

「火事だ、火事だ、みんな知らないのかなあ、ほら、ほら、ほら! 白い煙がだんだんひどく噴いてくる」

と、三太郎猿といっしょになって心配しだした。

三

一ぽう、馬糧小屋のなかでは、竹童と蛾次郎。

パチ、パチ、パチ、パチ……

火はわらの穂を食べてゆくようにうつる。むーッとこもる熱気は刻一刻にたかまる。そして、むせるそばから煙は目や鼻にしみて防ぎようもない。

カアーッと、あかいガラスで見るように、小屋いちめんが、まッ赤に見えたかと思うと、火龍は気味わるく舌をひそめて、暗澹とまッ黒な渦をまいて、二つのおどる影も、煙のなかに見えなくなる。

斃れたかな?

と思っていると、また、パッと立つ炎の明りに、両童のすがたが黒く浮きだす。

けんめいに戸を破ろうとして竹童は、そこをうごかず、蛾次郎は、むちゅうになって、ほかの出口をさがしているのだ。焼け死ぬか、のがれだせるか、人間最高の努力をふりしぼる瞬間には、かれもこれも、おそろしい無言であった。

するとその時、竹童は自分のうしろで、とつぜん、ヒーッという絶叫を聞いた。

見ると、もう血があがってしまった蛾次郎が、