Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
けれど、お時の目には、やっぱり死んだおやじに似ていた。
なんとかして、話しかけてみたい。
こんどはその気持につりこまれて、また見えがくれにつけていった。
「ちぇッ、ずいぶんありゃアがるな、宿から麓までは」
四ツ辻でそういって、木の葉笛ですこしかッたるくなった歯ぐきを、頬の上からもんでいるところを見ると、それは鼻かけ卜斎のお供でこの御岳へきて、ゆうべから麓の小屋に泊まっている泣き虫蛾次郎。
「そうだ……」
なにがそうなのか、ひとりでコックリして、
「バカバカしいや、いまから帰ったって、また蛾次郎足をもめの腰をさすれのと、師匠にスリコ木みたいにこき使われちゃまいってしまう。どこかですこし、うまい道草はねえかしらなあ」
ピキピッピッキ、トッピッピである。
そこで蛾次郎は四ツ辻をうろうろまわって、なにか見世物小屋でもないかと、月ノ宮神社の境内へはいろうとした。
――と蛾次郎、ぎょろりと目をすえて、
「いけねえ、またへんなところでぶつかってしまったぞ」
急に尻尾を巻いたようすで、あとへもどると、とつぜん馳け足になってどこかへ姿をかくしてしまった。
「おやッ、あの子は」