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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの者は、源氏閣の上より逃亡して、その後ゆくえ知れずになっていた咲耶子という不敵な女、ことに、浜松城に差し立てることになっている罪人じゃ。わたさぬとあれば、徳川家の武威のほどを示しても申しうけるがどうじゃ!」

いうことばの終るのを待たず、

「血まような、石見守ッ」と、一火は激越に、

「汝、総奉行という重き役目にありながら、じしんから大講会のやくそくを破ってもよいものか。――この御岳三日のあいだは、兵を動かすなかれ、血を流すなかれ、仇国との兵火もやめよという掟の下に行われることは、ここにあつまる天下の武門、百姓町人もあまねく知るところ。――それを、弓矢にかけてもと申したいまの一言、それは正気か! おどかしか! 見ごと取れるものなら武力をもって取ってみろ」

これは理のとうぜん。

石見守長安は、ハッと醒めたような顔色になった。そして自分の過言に気がついたらしく、

「いや鐘巻先生」

と、急にたいどをかえて、

「不肖、奉行の身をもって、混乱のなかとはいえ、過激に似たことばを発したのは、重々なあやまり、どうかお気持をとりなおしていただきたい」

「そう尋常に仰せあるなら、なにも、このほうとて、威猛高になる理由はない」