Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
ところが、そのとちゅうで――。
なにか、長安から耳打ちをされた鼻かけ卜斎が、ある宿場で行列がやすんだ時、
「お、ちょいとこっちへきな」
と、蛾次郎をものかげへ手招きした。
いつになく、たいそうやさしく手招きされたので、蛾次郎はすぐうれしくなってしまった。
「なんですか、親方」
「まあ、こッちへおいで」
「もっと歩くんですか」
「ウム、殿さまの駕籠がご休息になっているうちに、なにか食べたいものでも食わせてやろうと思ってさ」
「へ、へ、へ、へ、すみませんね、親方」
「なにがいいな?」
「どんなうまいものがあるか、ずッと、この宿場を見てあるきましょうか」
「そんなに手間をとっちゃいられないよ。おれは、石見守さまの駕籠がたつと、一しょに、甲府の躑躅ヶ崎へ帰らなけりゃならない」
「じゃ、あそこにしましょう。あそこの家の……」
と、指さした。
餅や団子や強飯がならんでいる。
そこへはいって、奥のひくい板の間へ腰かけた。
「いくらでもおあがりよ。腹の虫が承知するほど」
ことわるまでもないこと、むろん、蛾次郎もその気でパクついている。
六
ほどのいいところを見はからって、卜斎が、
「時にな、蛾次公」