Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「てめえだな、いまのしわざはッ」

かれは、短銃を逆手にして、三つ四つ、毛皮の上からなぐりつけた。

相手はビクとも感じない。グングンと自分の喉をしめつけてきた。蛾次は内心、こいつは強いぞとおどろいた。

「この野郎、うっかりしちゃあいられるもンか」

猛然と勇を鼓して、じゃまになる喉の腕をふりほどいた。

ピシャリと、敵の平手が、すぐに蛾次郎の頬ペタを張りつけたが、蛾次もまた、足をあげてさきの脛を蹴とばした。

精いッぱいな弾力を交換して、ふたりはうしろへよろけあった。

そのはずみに、相手のかぶっていた獣の皮が、勢いよく、蛾次郎の手に引きはがれたので、

「あッ、てめえかッ」

と、かれははじめて、相手の全姿をみてぎょうてんした。

菊亭家の密使

一

「やッ。てめえは、竹童だな」

と、蛾次郎はひるみをもった声でさけんだ。

かれが、こうぎょうてんしたせつなに、猿の毛皮であたまから身をかくしていた鞍馬の竹童は、

「オオ」

と、その全姿をあらわすとともに、とびついて、蛾次郎の手にある短銃をもぎとろうとした。

いったん、よろけ合った二つのからだは、闘鶏師にケシかけられた猛禽のように、また、肩と肩を咬みあって、組んずほぐれつの争いをおこした。