Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

「もう一度、言ってみろ、きさま、どこにいるんだ。」

「どこでもない。きみの目の前にいるじゃないか。ハハハハ……、魔術にかけては、ぼくのほうが、すこしうわてのようだね。」

鏡の中の明智は、そのことばとは、まるでちがった顔をしています。どうしても明智がものを言っているとは考えられません。それでは、だれかべつの人間が、いたずらをしているのでしょうか。魔法博士の部下のものが、そんなことをするはずはないのですから、すると、何者かが、この建物にしのびこんでいるのかもしれません。

魔法博士はいよいよ、きみが悪くなってきました。

「きさま、とりこになんか、なっていないと言ったな。それじゃあ、ここへ出て来てみろ。いくら名探偵でも、そのげんじゅうな部屋をぬけだすことはできまい。」

「ウフフフ……、げんじゅうな部屋だって? 名探偵の前には、ドアなんか、ないも同然だということを知らないのかい。ここだよ、ここだよ。」

魔法博士は、部屋の入り口のドアを、きっと見つめました。ふしぎな声はそのドアのへんから、聞こえてくるように、感じられたからです。

見つめていますと、正面のかんのんびらきの大きなドアが、スーッと左右にひらき、その向こうの、うすぐらい廊下に、スックと立っている人の姿が、見えました。