Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
それが、ここにいる虎だよ。見たまえ、ピストルがこわくて、ぼくの命令にそむくことができないのだ。」
明智探偵のイスの足のところに、うずくまっている虎は、ほんものではなく、中に人間がはいっていたのです。明智の右手に持ったピストルの筒口が、その虎の背中にグッとくいいっています。いうことを聞かねば、いつでもピストルの引きがねをひくぞというわけです。さいぜんから、この虎がまるでネコのように、おとなしくしているのは、そのためだったのです。
だまって聞いていた魔法博士は、そのとき、また、うすきみ悪くニヤニヤと笑いました。メガネの中の両眼が、まるで糸のようにほそくなっています。
「さすがは明智先生だねえ。つくづく感心したよ。すると、おれの部下はひとりのこらず、きみにしばられて、おれはとうとうひとりぼっちになってしまったのか。ブルブル、ああ、なんだか心ぼそくなってきたぞ。」
しかし、博士の顔はちっとも心ぼそそうではありません。ゆったりとかまえて、すこしもさわがないのです。
そのとき、コツコツと足音がして、正面のかんのんびらきのドアから、ひとりの少年がはいって来ました。