Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
怪人はここをどうして通りすぎたのでしょう。かべをつたって、わたるような、足がかりは、なにもありません。のぞいてみると、下は底しれぬ、くらやみです。それでいて、怪人はその穴の向こうを、走って行く姿が、おぼろげに見えています。いったいどうして、このはばの広い穴をこしたのでしょう。
「ア、わかった。穴にわたしてあった板を、あいつが、取りのけたんだ。」
明智の懐中電灯の光で、その板がてらしだされました。穴の上に橋のように、かけてあった板を、怪人は向こうがわへ、引きあげ、追手がわたれないようにして、逃げたのです。
「よしッ、ぼくがこの穴を飛びこそう。そして、板をもとのように、かければいいんだ。」
明智探偵は、少年時代からスポーツできたえたからだです。病気をしたといっても、あとの半分はにせやまいだったのですから、三メートルぐらいの幅飛びは、なんでもありません。穴のふちから、数十歩あともどりして、パッとかけだしたかと思うと、ヒラリと穴を飛びこしてしまいました。
そして、そこにあった長い板を、もちあげ、一度立てておいて、そのはじを、警官たちのほうへ、サーッと倒してよこす。