Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
」
「まさか、その穴から、ぬけだしたわけじゃないでしょうね。」
「むろん、そんなことは、いくら魔術師だって、できっこありませんよ。」
「それじゃ、あなたが、そこをしらべておられたわけは、なんですか。何かなぞをとくかぎでも見つかったのですか。」
「ほこりですよ。この空気ぬきの穴の中にはほこりがつもっていた。そのほこりに、何かで強くこすったようなあとが、いちめんについているのです。ほこりがすっかり、かき取られてしまっている。この穴にいっぱいになるような、何か大きな、やわらかいものが、そとへ引きだされたあとです。」
「フーン、大きな、やわらかいもの? まさか二十面相が、そういうものに化けて、この小さな穴から、逃げだしたとおっしゃるのじゃありますまいね。」
「むろん、そういう意味ではありません。しかし、ぼくは、このほこりのあとを見て、密室のなぞがとけたように思うのですよ。」
「えッ、なぞがとけた? 明智さん、ほんとうですか。あいつは、いったい、どうしてこの部屋をぬけだしたのです。」
「待ってください。それは、いまにわかります。それよりも、あいつをつかまえるのがかんじんです。