Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
何をやりだすかわかったものではありません。
「ともかく、塔の上まで、のぼってみよう。」
明智がせんとうになって、四人はラセン階段をのぼって行きました。二階にはだれもいません。つぎは三階、ここにも人の姿は見えません。しかし、明智には、なんだか、いまここを二十面相が通ったばかりのような気がするのです。塔のかべや天井にしかけがあるかもしれません。怪人はまたその中へもぐりこんでしまったのかもしれません。
ふと気がつくと、窓の外の、はるか下のほうから人のさわぐ声が聞こえてきました。なにか、ただならぬけはいです。
明智はいそいで窓をひらき、明かるい月の光にてらされた下界をながめました。塔の下の庭に五、六名の警官が立って、上を見あげています。そして口々に何かわめいています。いったい、なにがおこったというのでしょう。
明智は窓から半身をのりだして、下界の人々に手をふってみました。すると、警官たちは、それに気づいて、てんでに塔の屋根を指さしながら、なにかわめくのです。
「魔法博士が……。」
「屋根の上に……。」と言うようなことばが、まじりあって、聞こえてきます。どうやら、怪人はこの塔の屋根のてっぺんにでもいるらしいのですが、ハッキリしたことはわかりません。