Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

「おかあさーん、早く、だれか、早く来て……。」

島田君はやっと声が出ました。そして、あとでかんがえると、はずかしいようなことを、さけんでいました。

しかし、そのとき、ローラー・スケートは、もう八つ手のしげみの中に、つきすすんでいたのです。そして、八つ手の葉がガサガサと音をたて、ちょうどひとりの人間が、その葉をかきわけてはいっていくような動きかたをしました。八つ手のうしろは、大小のときわ木がしげって、森のように、くらくなっているのです。

やがて、島田君のさけび声を、聞きつけて、おかあさんと女中のたけが、かけてきました。おとうさんはまだ銀行からお帰りにならないのです。

それから、大さわぎになって、おとなりのおじさんを呼んできたり、警察にも知らせて、庭じゅうを調べたのですが、何も発見することができませんでした。ただ、八つ手のしげみのおくに、ローラー・スケートがころがっていたばかりです。怪人は、そこでスケートをぬいで、築山のうしろから、塀のそとへ逃げてしまったのにちがいありません。

それにしても、怪人はなぜスケートなんか、はいてあるいたのでしょう。調べてみても、べつにぬすまれたものはないようです。