Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
ところが、いったい、どうしたというのでしょう。ひらいた窓のそとには、だれもいなかったではありませんか。顔がだせるほどの、あらい木のこうしですから、そこから顔を出して、あたりを見まわしましたが、どこにも人影はありません。障子をあけるまで、影はうつっていたのです。ところが、あけてみると、影の本体である人間が、かき消すように、なくなってしまったのです。
「一郎、どうしたんだ。」
いまの物音とさけび声で、おとうさんがおきてこられました。一郎というのは島田君の名です。
「いま、ここに、へんなやつが立っていたの。でも、障子をあけると、だれもいないんです。おとうさん、また、あいつかもしれませんよ。」
あいつと言えばわかるのです。むろん透明怪人のことです。それを聞くと、おとうさんの顔にも真剣な色がうかびました。
それからまた大さわぎです。うちじゅうの人がおきて、部屋という部屋の電灯をつけ、そのうえ懐中電灯やこん棒まで持って、裏庭の捜索がはじまりました。しかし、人影などはどこにもありません。庭の土がかわいているので、足あとさえ見あたらないのです。
ここにまた、一つのふしぎがくわわりました。