Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
ています。
大友少年は身がかるくて、木馬や鉄棒が、だいとくいでした。そのうえひじょうな冒険ずきです。この好機会をのがしてなるものかと思いました。武者ぶるいというのでしょう。なんだか、からだがふるえて心臓がドキドキしてきました。
大友君は「よしッ。」と心の中でさけぶと、足音をしのばせて、自動車のうしろに、近づき、ヒョイと後部車輪のおおいのうえに、とびのり、そこに、つまさきだちをして、スルスルと、自動車の屋根の上に、のぼりつきました。目にもとまらぬ早わざです。大友君が、そうして、屋根の上に、ひらぐものように、すがりついたときには、自動車はもうはしりだしていたのです。
自動車は、交番をさけて、くらい町から、くらい町へと、三十分あまりも、はしりました。怪人物も運転手も、自分たちのすぐ頭の上に、少年探偵団の副団長が、つきまとっていようとは、すこしも気づいていないようすです。大友君は、自動車が町かどをまがるたびに、いまにも、ふりおとされそうになりながら、やっとの思いで、屋根の上にすがりついていました。
自動車がとまったのは、東京都内にはちがいないのですが、むかしの兵営のあととでもいった、草ぼうぼうの広っぱでした。