Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

きみの悪い人間の首だけが、テーブルの上から、じっと、こちらをにらんでいたのです。

大友君は思わず逃げだしそうになりましたが、とっさに、あることに気づいて、そのまま、すき見をつづけました。テーブルにのっているのは、ほんとうの首ではなくて、ろう仮面だということが、わかったからです。透明怪人は、パジャマをきて、これからねようとしているのです。ねるのには、ろう仮面なんか、じゃまですから、ぬいで、テーブルの上においたのでしょう。パジャマ男に首のないのは、そのためです。首がないのではなくて、ただ見えないだけなのです。

そのとき、首のないパジャマ男は、テーブルの上のフラスコのせんをとって、コップに水をつぎました。手ぶくろをはめていないのですから、手は見えません。パジャマのそでが、うごくにつれて、フラスコがひとりでに、持ちあがり、宙に浮いて、口がだんだん下をむき、コップに水が流れおちるのです。まるで手品でも見ているようです。

つぎには、水のはいったコップが、スーッと宙に浮き、パジャマのえりの上のへんに、とまりました。さっきのフラスコと同じように、コップは宙に浮いたまま、だんだんかたむいて、中の水が、何もない空中に、すいとられていきます。