Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
大友君はイスにかけさせられ、両手両足を、ほそびきで、しばりつけられていたのです。
そばにはだれもいません。一坪ほどの、せまい箱のような場所です。ふと気がつくと、正面のかべに、なにか光ったものがあります。鏡です。三十センチ四方ほどの鏡が、かべに、はめこみになっているのです。大友君は、それが鏡だとわかるまでに、一分もかかりました。そこには、なんとも、えたいのしれない、へんてこなものが、うつっていたからです。
鏡の中には、学生服の胸から上だけが、こちらをむいていました。しかし、その服のえりの上には、首がないのです。学生服は大友君の着ているのと、しわのよりかたから、ボタンの図案まで、まったく同じでした。その鏡にうつっているのは、自分にちがいないのです。それでいて、首だけが、まるで、ふきとったように、消えてしまっているのです。
大友君は、あまりのおそろしさに、からだがガタガタふるえてきました。顔もまっさおになったのでしょう。しかし、その顔は人の目には見えません。顔がなくなっていたのです。からだもなくなっていたのです。大友君は、いつのまにか、透明人間にされてしまったのです。