Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
中村係長は、そのへんに、怪老人や透明怪人の足あとでも、のこっていないかと、さがしまわりましたが、雑草がいちめんにはえていて、何もみつかりません。かれらがどの方角に逃げたかも、まるで、けんとうが、つかないのでした。
捜索隊は、ただ怪人のすみかを、発見したというだけで、あいてをとらえることもできず、大友少年をすくいだすこともできず、手をむなしくして、引きあげるほかはなかったのです。
中村係長は、洞窟の入り口と、古井戸のそとに見はりの警官をのこして、ひとまず、警視庁の捜査本部に帰ることにしましたが、その帰りの自動車の中で、黒川記者は、係長の耳に、こんなことをささやくのでした。
「中村さん、これは警視庁はじまっていらいの、大事件ですよ。日本じゅうの警察官が、力をあわせても、たりないほどの、おそろしい大敵ですよ。それにつけても、ぼくは、ある人物を思いだしますね。もし、その人物が警察をたすけて、はたらいてくれたら、ひょっとしたら、あいつを、やっつけることが、できるかもしれません。」
「それは、だれだね。」
「明智小五郎です。いよいよ明智先生の出る幕ですよ。小林君にきいたら、明智さんは、何か、ほかの事件にひっかかっていて、手がはなせないのだそうですが、いまはもう、そんなことを言っているばあいじゃありません。