Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

」

中村係長がしずかにたずねます。

「だれでもいい、文代さんがでれば、わかるんだ。早く文代さんをださないか。」

「きみの名を言わなければ、とりつぐわけにはいかんよ。名をなのりたまえ。」

「そう言うきみこそ、だれだ。明智事務所には、いま男はいないはずだが。」

「ぼくは警視庁の中村だ。さっき道化師のサンドイッチ・マンにもお目にかかった。おどかしの手紙もたしかに見たよ。」

「ウハハハ……、中村鬼係長か。透明怪人には、てこずっておるな。おれはその透明怪人のうみの親だよ。明智名探偵先生も、おれにかかっては、子どもみたいなもんじゃ。いま手術中だよ。あすはすっかり透明になるはずだ。ところで、おつぎのばんじゃが、わしは文代さんときめた。だんなだけ透明にしておくさんをひとりぽっちでのこしておいては、気のどくだからね。わかったかね。文代さんを、今晩のうちに、ちょうだいにゆく。鬼係長どのが、いくらがんばっても、こちらは目に見えない透明人間を使うのだからね。とても、太刀打ちはできやしないぜ。それじゃ、文代さんによろしく。あばよ。おっと、まってくれ。きみがあわててしらべないでもいいように、おしえておくが、この電話は渋谷の公衆電話だよ。