Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
小林君は、ピッタリ戸をしめ、とってをまわして、外からひらかぬようにし、ベッドにもどって、考えこんでしまいました。あの虎は、一晩中、廊下をうろついているかもしれません。そうすると、夜中に、建物の中をしらべることなんか、とてもできないわけです。そんなことよりも、もしあの虎が、ドアをおしやぶって、ここへはいって来たら……、それを思うと、もう気が気ではありません。小林君はベッドの上に小さくなって耳をすまし、おびえた目でドアを見つめていました。
しばらくは、何事もおこりませんでしたが、やがて、廊下にかすかな物音がしたかと思うと、ドアのとってが、ソーッとまわっているのに、気がつきました。
小林君はハッとして、いきなりベッドから飛びおりると、敵をむかえる身がまえをしました。あの虎がとってをまわしているのでしょうか。番兵をつとめるほどの虎ですから、人間のようにとってをまわす芸当だって、できないとは言えません。
いよいよ、虎にくい殺されるのかと思うと、さすがの小林少年も、顔は青ざめ、心臓は、おどるように、脈うち、全身に冷やあせが流れてきました。
とってがまわりきると、ドアがすこしずつ、ひらきはじめました。