Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
深沈たる刀身――毒魚の淵のような、鉄の魔術の国俊から眼を移すと、庭前の桜はまさに半開、午後の陽はウラウラと縁側に差し込んで、浅黄色の空に、浮彫された花の美しさは、さすがに、気の荒い富山七之助をうっとりさせます。
フト用事を思い出して、手入の一刀をそのまま、小刀だけを持って立去った富山七之助は、小半刻ほど経つと、元の座に還りました。
ハッと何やら吐胸を突くものがあります。頭から熱湯を浴びたような心持で、毛氈の上に差置いた、来国俊の一刀を取り上げたのです。
「――」
富山七之助は次に、三斛の冷水をブッ掛けられたような心持でした。愛蔵の来国俊の鍔際から、美濃紙八つ切の紙が一枚、半分ほどを紙縒にしたのがヒラヒラとブラ下って、その紙の端っこの方に、最も職業的な悪達者な文字で「見切物」と三字、いとも麗々しく書いてあるではありませんか。
富山七之助は、一刀を鷲掴みに突っ立ち上って居りました。其辺にマゴマゴする人間を見掛けたら、有無を言わさず叩き斬ったことでしょう。
が、幸い其処には、誰も人影は無く、富山七之助の激怒を爆発させる相手も無かったのです。
「これこれお春」