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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、今日という今日」

主人峰右衛門はゴクリと固唾を呑むのです。

「今日、何んかありましたか、御主人?」

「お目にかけようか、どうしようかと迷って居りました、あまり大人気ないから、親分さんに笑われてしまいそうで」

「いや、決して笑やしません、どんな事があったのです」

「これでございますよ、――この紙片を石に包んで、二階の私の部屋に投り込んだものが御座います」

そう言いながら、主人峰右衛門が、袂の中から取出したのは、半紙一枚を細く畳んだ、結び文風の手紙で、押し開くと消し炭で

いよ/\今夜だよ、峰右衛門

たったこれだけの文字が、半分消えかけたまま、どうにかこうにか読めるのです。

「この筆蹟に覚えはありませんか」

「全く見たことも無い拙い字で」

それは子供の手習字のような稚拙な文字で、書いて居る文句の無気味さに似ず、文字には少しの邪気も憎気もありません。

「小僧の宗之助は、こんな下手な字を書きゃしませんか」

「いえ、あの子は子供のくせに、とんだ綺麗な字を書きます。あれだけ器用な字を書ける人間が、ワザと手筋を変えたにしても、こんな下手な字は容易に書けるものじゃございません」