Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「わかった八、お前は二階の欄干に凭れて居ろ、動いちゃならねえよ」
平次は大急ぎで飛んで出ると、裏の物干から一本の物干竿、二間半ほどあるのを外して、先刻八五郎が通ったコースを辿り、塀の土台伝いに、二階欄干の真下に立ちました。
「あっ、何をするんです、親分」
欄干にもたれて、後ろ向になって居た八五郎は、背中を突き上げられて肝をつぶしました。
「この物干竿が短か過ぎると思ったら、その先に匕首を挟んで突き上げたのだ、竹の穴が大きいから、匕首はお嬢さんの背中に残って、竹竿だけが手許に戻る仕掛けだったんだ――見るがいい、八、物干竿の切り口に、血らしいものが付いて居るぜ」
平次は物干竿の小口を覗いて居ります。
「誰です、そんな事をしたのは?」
「お嬢さんのお照さんと仲の悪かった奴――女だ、内儀だよ、八」
「あッ」
八五郎が驚く間もありません、内儀のお通は此掛け合いを聞いたものか、自分の部屋から飛出すと、階下の降り口に向いましたが、其処は辰之助に塞がれて降りることがならず、反対側へ回って庇へ出ると、一気に飛降りて裏口へ――が、足を挫いて動けなくなったところへ、二階の八五郎が続いて飛降りました。