Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

「御免よ」

平次と八五郎は、その中へ入りました。

「ま、親分さん方」

出迎えたのは五十五、六の老母、それは殺されたお園の養い親で、お槇という因業な女と――八五郎は心得て居ります。

「師匠ら――気の毒だったね」

「親分、どうしましょう、私はもう木から落ちた猿で」

お槇は日頃の因業さをかなぐり捨てて、ひどく打ち萎れて居ります。

たった三間の小さい家、その一番奥の六畳に、殺された師匠のお園が、血だらけの死体を横たえて居るのでした。

平次と八五郎の姿を見ると、弟子達も近所の衆も、遠慮して縁側に立去り、凄惨な死の姿が、覆うところもなく二人の眼に曝されます。

「こいつはひどい」

八五郎は音をあげました。

股や裾は、母親の手で僅かに隠されましたが、床を敷いて掻巻を引掛けて休んで居るところをやられたらしく、斑々たる上半身を起して見ると、首から顔へかけて、突き傷が三、四ヶ所、盲目突に突いた一と太刀が、偶然に頸動脈を切ったのが致命傷らしく、あとの傷は心得の無い下手人が、駄目押しに突いたとしか思えない、無意味なものです。

死顔は、さしたる苦悩もなく、お園の美しさは、血の洗礼も奪う由はありません。