Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
入ったのを、確かに見たというのは一人も無いようで、多分木戸を締めて入ろうとした時、其処で暗がりから出た者に、不意に殺されたことでございましょう――」
母親のお槇は思いの外記憶もよく、時間と事件の関係など、極めて要領よく話してくれます。
もっとも年の頃もまだ四十七、八、昔は芳町あたりで嬌名を馳せたことがあると言われ、お園が踊りの師匠として一本立ちになってからは、その蔭に隠れて、お園の成功に大きな役目を果して居た母親だったのです。
近所附き合いで、お組もお園も平次はよく知って居りますが、今から五、六年前までは、この土地では先輩のお組は手踊りの師匠として鳴らし、多勢の弟子も取って居りましたが、お園が此処へ移り住んで、同じ手踊りの師匠として看板をあげると、お組はその競争を避けて、二枚看板の小唄の方に重点を置き、両虎互に傷つかずに、二年三年と過して来た仲でした。
そんな内部工作は、お園の母親のお槇の賢さから産み出されたもので、娘に死なれた大きな悲しみと落胆の中でも、こう冷静に物事を整理して行く、老女の聡明さは、どんなに平次の探索を助けてくれたかわかりません。