Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
お友は出るわけも御座いません」
小僧の春松は、それを肯定するように、黙って聴いて居ります。不在証明は吾妻屋の屋根の下に住んでいる者に限り、極めて完全です。
「ところで、もう一つ、それから御新造の様子はどうだ」
平次は突っ込んだことを訊ねました。
「見上げた方で御座います、朝晩念仏三昧で、慎み謹しんで居ります。一足も外へ出ることではございません」
「――」
「そう申しては何んですが、あれが君傾城の果てとは、どうしても思われません、大したお心掛けでございます」
嘉七の言葉は老実そのもので何んの誇張があろうとも思われません。
やがて釣台に載せた佐太郎の死骸は動き出しました。後ろへしょんぼりと従う嘉七と春松、少し離れて平次と八五郎も、途中までは一緒に行かなければなりません。
「変な殺しですね、――あの毒酒の果し合いの続きでしょうか」
「あっしは、あれはあれ、これはこれという気がするんですが、佐太郎はフラ/\と遊びに出て、吉原で居続けたあげく、一文無しになって、帰るところを、辻強盗か何んかにやられたんじゃありませんか」
八五郎は一応の順序を立てますが、
「主人が変死した翌日は、葬式も出して居ないのに、奉公人の佐太郎が吉原へ遊びに来たというのか」