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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

を続けて居たのです。

顔立もよく整って、格幅も見事ですが、恋に狂う型の人間によくある、やや肥り肉の多血質で、脹っぽい眼、多い毛などが妙に人目につきます。

着て居るものは、昔の栄華を偲ばせる絹物ですが、滅茶々々に破れて、芝居に出て来る乞食という風体、皮膚の色も陽に焦げて、手足の垢づいて居るのも浅ましさです。

傷は右首筋、匕首か何んかで、廻しながらザブリと切ったもの、返り血を受けないために、恐らくは後ろから手を廻して刃物を引いたものでしょう。

「刃物は、すぐ足の下の下水に投り込んでありました、――こいつは自害じゃありませんか」

「いや、これだけ切ると自分の手が血で汚れる筈だ」

「少しは血が付いて居ますよ」

「自分でやったのなら、そんなこっちゃあるめえ、それに、右手を使って、こうは自分の喉を切れるものじゃないよ、――虎松は左利きなら話は別だが」

「もう一つ、鞘が虎松の懐から出て来ましたよ」

「小尻は何方を向いて居た」

「外を向いて居ましたよ」

「落付いたようでも、下手人はあわてて居る証拠だ。小尻を外へ向けて、自分の懐へ匕首の鞘を突っ込む奴があるものか、それに、自分でやったものなら、鞘を自分の懐へしまい込まずに、反って捨てるのが本当だろうよ――多分後ろから行って、声を掛けて油断をさせながら、刺したものだろう。