Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
見ると縁側へ四つ這いになったお六は、精一杯の声を張り上げて、川向うへ聴こえるほどわめいて居るではありませんか。
「どうした、どうした」
弥八は一つ置いて手前の部屋――仏様のところから飛んで来ました。それに続いて品吉と、平次、
「お嬢様が、あれ」
見ると、味噌汁の毒にやられたお絹、――それは一応手当が済んで、静かに眠って居る筈のお絹は、床から抜出し加減に、紅に染んで苦しんで居るのです。
人々が、あまりの事に躊躇する間を縫って、物馴れた平次は、飛込み様静かに抱き起しました。
「早く医者を、早く」
それを聴くと品吉は、跣足のまま庭に飛降り、木戸をハネ飛ばすように外へ駆け出してしまいました。
「どうしました、お嬢さん」
「首筋をやられた、急所は外れたが、血はひどい」
平次は側にあった手拭を取って傷口を押え自分の膝を枕にさせて、血潮の汚れもいとわず、精一杯の手当をして居ります。
「誰が、いったい誰が、そんな事をしました、お嬢さん」
番頭の弥八は横から覗きました、が、今朝の毒にやられた上、この重傷を受けて、お絹は口をきく気力もなく、此美しい娘の命が、油の尽きた行灯のように、せんすべもなく消えて行くのです。