Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
「親分は?」
「お医者が見えたようだ、俺はその話を聴き度い」
平次の説明をぼんのくぼに聴いて、八五郎は、窓からヒラリと飛降りました。言うまでもなく跣足のまま、苔さびた庭の土が、足の裏にヒヤリとした感触です。
それと入れ違いに入って来たのは、町内の本道(内科医)で、順庵という坊士頭でした。
「何んということだ、半日のうちに、二人目が殺されるというのは?」
佐渡屋と懇意の仲らしく、口小言などを言って、血潮の中のお絹の死骸に近づきましたが、傷口と眼睫を見ただけで、
「これはいけない、外科の手に掛けるまでもあるまいよ、――可哀想にこの若さで、――まァ、三人目を出さない用心が大事じゃ」
薬箱にも及ばず、風の如く引揚げて行くのです。
「ちょいと先生」
平次はそれを追って呼留めました。
「銭形の親分か、厄介なことだな」
坊士頭は振り返って物々しい顔になります。
「まるで眼鼻がつきません、先生がお気付きのことがあったら――」
「気の毒だが何んにも無い、あのお絹さんという娘御は良い娘だったが、惜しいことをしたよ。傷は首筋を一と突き、心得のある手口だが、一分か五厘の違いでも急所を外れる、曲者はその時の用意もしたことだろう」