Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
三郎兵衛は、平次の慧眼に一寸驚いた様子です。
「綺麗なお小姓に誘われて、お嬢さんが庫裡へ行った――その後からお茶も呑まずについて行ったというのは、わけがある筈で」
「成程、若い者の心持は、そう言ったものでしょうな」
「そのお嬢さんが、曙染の振袖を、抱きしめたまま、眠って居たというのも、変な話じゃありませんか」
平次は其処まで突っ込んで行ったのです。
「それも、随分責めて見ました。若い娘にあるまじきことで、世間の聞えも悪いと思いましてな――すると娘の申分にも、満更の言いわけとばかりも思えない節があります」
「?」
「娘はこう申すのです――お小姓にすすめられてお茶を呑んだ、喉は乾いて居たが、ひどく苦いと思った、すると間もなく四方が真っ暗になって、地獄の底に引き入れられるように眠くなった、恐ろしいから、並んで坐って居るお小姓の袖を掴んだ、何んか言ったかも知れないが、それっきり気を喪ってしまって、暫く経って気がつくと、曙染の振袖を犇と掴んでいたが、肝心のお小姓は、振袖から脱出して、姿も見えなかった――というのです」
三郎兵衛は父親らしい熱心さで、娘のために、こう弁ずるのでした。