Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
「フーム」
「つく/″\江戸は狭いと思いました。今までは私の方から――恥かしい事ですが、逃げて廻って居りましたが、今日という今日は、妹を連れた私と、子分の伊八というならず者をつれた瀬左衛門が、浅草雷門前の道の真ん中で、除けもかわしもならず、私共兄妹と顔を合せてしまったのです」
「で、名乗りでもしたのか」
「飛んでもない、親分、私は算盤より重いものを持ったことがなく、それに途中で不意に逢ったんでは得物というものはありません。商人の家に奉公して居る私が、何処で敵に逢うかも知れないと申して、脇差や匕首を持って歩くわけにも参りません」
「妹のお比奈さんは?」
「たしなみの短刀を持って居る筈ですが、これも着換の中に巻き込んで、風呂敷に入れて背負って居りますので、急なことでは取出すわけにも参りません、――よしやまた、女持の短刀位取出したところで、切取り強盗を稼業にして居る大友瀬左衛門に刃向えるわけもなく、子分の伊八は、喧嘩伊八と言われた男で、それ一人でも私共兄妹の手に余ります」
「――」
「伊八は私共を見付けると――おや栄屋の倅と娘ですぜ、雷門前で返り討ちにするわけにも行かねえが、敵討ちなんて悪い了見を起こさねえように、こうしてやれ」