Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

「今朝、忍び返しの上の死骸を見付けたのは?」

平次は話題を変えました。

「下女のお六でございました、大きな声を出したので、あっしが飛んで出ると」

それは側に居た下男の幹助の説明です。赤黒くて武骨ですが、話の筋も通り、物の役にも立ちそうな男です。

「お前は此家へ長く奉公して居るのか」

「三年になります」

「昨夜は?」

「私は何んにも聴きません、もっとも私の寝て居るのは家の向う側で」

そんな話をして居るところへ、八五郎は飛んで来ました。

「親分、あの庇から窓のあたり、梯子を掛けて念入に見て来ましたが――」

「何んか変ったことがあるかえ」

「庇の上は苔もそっくりして居るし、人間の歩いた様子もありません。朽った板屋根だから、忍び込んだ曲者を突き飛ばせば、足跡位は残りますよ」

「それから?」

「格子窓は恐ろしく頑丈な釘付けで、近頃外した様子もありません」

「よし/\、そうわかると、調べが楽だ。ところで、お前はお勝手から下女のお六というのを呼んで来てくれ」

「あの女は大変ですよ、親分」

「何が大変なんだ」

「慾の深い四十女で、お嬢さんへ手紙を頼むと、駄賃に三百文から一朱二朱まで取るそうで、相手の懐中を読んで相場を拵えるから、色文の取次を頼みながらも、皆んな腹を立てて居ますよ」