Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんな思い過しをされちゃ叶わねえから、近頃は二階から降りて、あの娘の傍へ行くときは、懐手をすることにきめて居ますよ、変な素振りでもあったと言われちゃ、あっしの恥ばかりじゃありません」

「懐手をしたって、顎を引っかける手がある」

「お前さん」

後ろの方から、番茶をくんで出た、女房のお静がたしなめました。

「ハッハッハッ、八がそんなことで怒るものか、心配するなよ――ところで何んか変ったことがあるのか」

「大ありですよ、昨夜遅くなってから、あの兄貴の山之助が訪ねて来ましてね、大層世話になったから御恩返しの心持で、そっと教え度いことがあると――」

「虫歯の禁呪か何んかだろう、お前此間頬を腫らして居たぜ」

「そんな間抜けなもんじゃありません。近頃江戸中を荒らし廻る黒雲五人男の素性と名前――それに人相まで、事細かに教えてくれたから大したものでしょう」

「何? 黒雲五人男――そいつは大変なことじゃないか、山之助は何処でそれを嗅ぎ出したんだ」

平次が驚いたのも無理はありません。何々五人男という群盗が、江戸の綱紀の乱れに乗じて、勇侠者流のような顔をして跳梁した頃のことです。「百両盗んで五両か十両を貧乏に施こし、あとの九十何両を飲み食いや悪遊びに費って、義賊面もねえものだ」