Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
二人が揃って顔を出すと、この騒ぎですっかり生活をかき乱されたお金が、雪を払い忘れた裏口から往来まで真っ直ぐに二た筋、犬の足跡が――いつかの朝のように、まざまざと印されているではありませんか。
「あッ」
一緒に顔を出したお金は悲鳴をあげました。
「どうした、お金」
「また来ましたよ。御新造さんを殺したのが――」
真っ青な顔を振り向けると、ワナワナと顫える指は、雪の上を走る二た筋の足跡を指しているのです。
「御新造が殺された朝の足跡も、この通りだったのか」
と平次。
「え、少しも違いません。今日は少し雪が深いだけで」
「庭へは入らずに、真っ直ぐに裏口から往来へ足跡がついていたんだろう」
「その通りですよ、親分。どうしましょう。私はもう、こんな家には居られません」
お金のウロウロするのを、平次はようやく引止めました。
「もう少し我慢してくれ。八、今度はその犬だ」
「ヘエ――」
どこからつれて来たか、八五郎の腕には、小さい犬が一匹、クンクン鼻を鳴らして顫えているのです。
「親分、やりますよ」
「さア、やってくれ」
八五郎はそう言いながら、抱いていた小犬を雪の中に投り出すと、犬はすっかり脅えていたものとみえて、道も垣も構わず、庭を斜に突っ切って、先の足跡とは全く違った方へ、逃げ出してしまいました。