Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
村川菊内が声を掛けると、
「お、平次と言うか、御苦労であった。――とんだ目に逢ってのう、――医者は動いてはならぬと言うが、一眼を潰した曲者がいかにも憎い。朝っから休んでは責め、責めては休みじゃ。この女の強情が続くか、余の根が続くか――」
兵庫は顔を挙げて苦笑いしましたが、左の眼の痛みに引釣って、脂切った顔は、見る影もなく歪みます。
「証拠があるように承りましたが」
平次は恐る恐る顔を挙げました。
「沢山ある、――第一に余が楊弓で眼を射られた時、この女は船に居なかった、大騒ぎの最中に堤を降りて来たのじゃ」
「それは」
平次は口を容れようとしましたが、兵庫はそれに構わず続けます。
「いや、まだある。この女は船へ帰ると、余の傷よりも、楊弓の矢の心配をした、――眼から抜いて側へ置いた血だらけな矢を隠そうとしたのじゃ」
「殿様」
「一年越し世話をした女だ、分に過ぎた事もしてやってある。その恩も思わず、楊弓で主人の眼を射るとは、不都合と言おうか――」
大村兵庫はこみ上げて来る激怒に、前後を忘れて弓の折を振り上げました。
「殿様、しばらくお待ち下さいまし」
「いや放っておけ」