Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
「それから、言うまでもないことだが、女子供には内証だぜ。町内の若え者が、一杯やりながら夏祭の相談をしているって触れ込みなんだ、解ったかい」
植幸の親爺は、力松の後ろ姿へ、こんな事を言っております。
それからしばらく経って、力松はフラリと帰って来ました。
「どうしたえ、力兄哥」
「せっせと地紙を折っているよ。あの様子じゃ、江戸中で一と夏使う扇を一手に折る積りだろう、ヘン」
力松は憤々としております。日頃、軽口と男っ振りで、若い女にチヤホヤされる綾吉が、癪にさわってたまらなかったのでしょう。
「放っときねえ、綾の野郎が一人居なかったところで、花四天に不足はあるめえ」
「違えねえ」
二た間打っこ抜いた離屋に、銘々勝手な姿態でとぐろを巻いた十二三人の若い衆は、人目を忍ぶはずの寄合も忘れて、ドッと笑い崩れます。
その間ガラッ八の八五郎は、お茶を出したり、煙草盆の火を見たり、植幸の手伝いみたいなことをしております。町内の人に顔見知りのないガラッ八は、そんな事でもして、自分の存在を不思議に思わせない手段を採る外はなかったのです。
亥刻(十時)過ぎから酒が出ました。
「あんまり飲むんじゃないぜ、今晩は大事な仕事があるんだから――」