Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「それを、お米がベラベラと喋舌ってしまいそうになったんで驚いたというわけだね」

「その通りだよ。お前がお米を口説き落したと聴いたときは、兼松はまだお米を殺す気にならなかったかも知れないが、鉄童が女で、鉄心道人はとんだ食わせ者だと聞くと、フラフラと変な心持になった」

「なるほどね」

「兼松は自棄になった、――その上あんまり落胆して、気が少し変になったんだろう。お米を殺すと鉄童もそのままにしてはおけない心持になったに違いない。とうとうあんな騒ぎになってしまったのだよ、納屋へ火をつけたのも兼松だ」

「可哀想だね、親分」

「イヤな捕物さ。でも、いちばん無欲な顔をする奴は一番大欲で、いちばん取済ました奴が一番臭いことだけは確かだよ」

「お小夜は」

「外面如菩薩だ。金持、親分、旗本と手玉に取って、自分の縹緻と才智で、活き仏さまを地獄に引き摺り込もうとした女だ。あんな女は石の地蔵さままでモノにする気になるだろうよ」

二人はそんな事を言いながら、江戸川縁を歩いておりました。

木枯しの吹く寒い日の夕方です。