Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

商人の帳場にいる人間は、みんな観世縒は器用に拵える」

「すると?」

「あわてるな馬鹿野郎、下手人は女だぞ。万吉のなついていない継母のお乃枝ではないぞ。それからお燗番のお島でもないぞ」

平次はしだいに謎を解いて行きます。

「お冬?」

「婆やのお冬は万吉が死ねばお払い箱になる女だ。その上三年も万吉を手一つに育てている。自分の生んだ子より可愛いはずだ」

「まさか、ガラ留じゃないでしょうね。あの女は人を殺すような柄じゃない」

ガラッ八は愕然としました。

「柄で殺すかよ。万吉が死んで万兵衛が死んで、金次郎が下手人になると、自分の夫の喜八にあの大身上が廻って来るじゃないか」

「でも、――変だなア。そのガラ留の亭主の喜八が、油を塗った梯子段から落ちて、危うく死にかけましたよ」

「怪我くらいはさせなきゃ、自分の亭主へ人殺しの疑いが真っ直ぐに降りかかって来そうだったんだ。裏のゴミ溜へ火をつけて、何にも知らない亭主を梯子段から突き落し、尻餅をつかせて、翌る日の花見に行けないように仕向けたんだ。恐ろしい女だ」

「変だな」

ガラ留のお留の開けっ放しな気性を知っているガラッ八は、なんとしてもこの推理は腑に落ちません。