Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
「驚くよ、――お前の義理でも驚かなくちゃ悪かろう、それからどうした」
「たったそれだけだが、ちょいと変じゃありませんか親分。神田から番町へかけて、並ぶ者のないと言われた上総屋音次郎が、死んで一文もないなんざ、皮肉すぎますよ」
「捜しようが悪かったんだろう」
「そんなはずはありません。床下から天井裏まで捜したんだそうで」
「それとも主人が死ぬと一緒に、誰か持出した奴があるのかな」
「熊鷹の眼が二三十見張っている中から、巾着一つ持ち出せるものじゃありません。まして千両箱を五十も百も」
「よし、判った。八五郎に揚足を取られるようじゃ世話アねエ」
平次は苦笑いをしました。
「そこで一つ、親分にお願いがあるんだが」
「なんだい」
「上総屋の番頭さんに逢って下さいよ」
「?」
「亡くなった主人は、どこかに金を隠してあるに違えねえが、何人かかっても見付かりそうもない。金が出なかった日にゃ、後の恰好がつかないそうです」
「で?」
「番頭さん、構わないから入って来てくれ。お前さんから、親分に話してみるがいい」
ガラッ八は入口の方を振り向いて、大きな声を出しました。
「それじゃ、御免下さい」
静かに格子を開けて入ったのは、二十三四のまだ若い男でした。