Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
重三郎を殺したのが、力の要る仕事のように思わせて、その実非力な仕業と解って、俺は下手人は女じゃあるまいかと思ったよ」
「ヘエ――」
「帳面の紙を切って、重三郎と音松をおびき出したのは、一応仙之助の仕業のように見えたが、右肩下がりの字なんか誰でも真似られるよ。――それから、音松を殺した晩は、頭痛がすると言って、早くから自分の部屋に籠り、そっと窓から脱け出している」
「なアる――」
「石見銀山と血染めの匕首を、仙之助の行李に隠したのは、賢いようでも女の猿智恵さ。あんな事をしたので、いよいよ俺は仙之助が潔白だと思ったよ。お今は自分の思う通りにならない仙之助が憎らしくてならなかったんだ」
「…………」
「上総屋には十両の金もないとわかると、こんどは仙之助と一緒になりそうなお染が憎くなった。お今は最初この家を乗っ取って仙之助と一緒になるつもりだったかも知れない――ともかく、昨夜はっきりお染と仙之助の気持が解って、急にお染を殺す気になったのさ。あの愛嬌者のお今の顔が急に怖くなってお染を睨んでいるのが容易でなかったので、俺はお染の代りにあの部屋で待っている気になったのさ」