Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「…………」

「私にはどうしても人は殺せません。――寅刻(四時)ころ私は諦めて帰ってしまいました」

「金蔵は?」

平次はようやく口を挟みました。

「後に残ってせっせと掘っていたようです。――それからあの晩限り金蔵が行方知れずになったと聴いて、どんなに驚いたことでしょう。私は覚えのないことですが、献立まで拵えたのですから、私のこの手で殺したような気がして、本当に生きた心持もありませんでした。妹にもよく申付けてあの晩一と足も外へ出なかったことにさせましたが、嘘というものを吐き馴れない妹は、うっかり本当のことを言ってしまいそうで、どんなに気が揉めたかわかりません。坂本の叔母のところへやって、熊谷へやったと申したのはそのためでございます。――これだけ言ってしまうと、私はもうすっかり清々してしまいました」

清次郎はホッとした顔を挙げるのです。

平次は、それを聴きおわると、二つ三つ気休めの言葉を遺して、フラリと外へ出てしまいました。驚いたのはガラッ八の八五郎です。

「親分があの清次郎を縛らなきゃ、あっしが縛って行きますよ」

「馬鹿」

「だって、あんなに沢山証拠が揃っているじゃありませんか」