Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
「だって口惜しいじゃありませんか、親分。若くて綺麗な娘は、天からの授かりものだ。それを腐った西瓜のように叩き割られちゃ――」
「解ったよ八、殺した野郎が重々悪いに異存はないが、俺を引っ張り出そうたって、そいつはいけねえよ。あの辺は十三丁目の重三の縄張だ、勝手に飛び込んで掻き廻しちゃ悪い」
平次は大きく手を振りました。そうでなくてさえ、この二三年江戸の捕物は銭形平次一人手柄で、いい加減御用聞仲間の嫉視を買い、面と向ってイヤな事を言う者さえあったのです。
「そんな事を言ったって親分。十三丁目の重三親分じゃ、コネ廻しているだけで、いつまで経っても目鼻がつきませんよ」
「黙らないか八、そういう手前だって、あんまり目鼻のついた例はあるめえ」
「ヘエ――」
「若い娘が殺されると、眼の色を変えて飛び出しやがる。少しはたしなむがいい」
平次はツイ小言になりました。が、幾つも年の違わない八五郎に、意見めかしい事を言うのは、自分ながら可笑しくてたまらなかったのでしょう。
「まア、そういったものさ。ハッハッハッ」
腰を伸してカラカラと笑うのです。
その時、
「お前さん、お手紙が来ましたよ」