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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

お寺方へ寄付をするとか、西国巡礼に出るとか、費い途はいくらでもあります」

六兵衛の捨鉢な気持のうちには、妙に平次を憂鬱にさせる調子があります。

「ところで、娘を殺したのは、――親のお前さんの心持では、誰だと思いなさるんだ」

「…………」

六兵衛は深々とうな垂れました。

「親には、きっと、それくらいのことが判ると思う。とりわけ、天にも地にも換えられないたった一人の娘を殺した相手だもの」

「親分さん。――血だらけな袷を井戸端で洗って、ざっと血を流した心算で盥に漬けておいた兼松を憎んだものでしょうか、――二三日前鉈を物置へしまったのも兼松ですが」

「そいつを誰が見ていたんだ」

「小僧たちは皆んな知っていますよ」

「それから」

「娘の手箱の中には、谷五郎と祝言するなと書いた兼松の手紙が十三本も入っていました」

「…………」

「まだあります。泥だらけな兼松の雪駄は、娘の部屋の縁の下に突っ込んでありました。雪駄を履いて出て、物置から鉈を取出し、わざと曲者が外から入ったように、縁側の雨戸を一枚こじあけて入り、雪駄を縁の下に突っ込んで娘を殺した上、そのまま自分の部屋へ帰って寝たのでしょう」