Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
後ろに手を廻して観念の眼さえつぶるのです。
「違う違うお前を縛るんじゃない。三文字屋の小三郎が、親殺しの罪で、今日、今、磔刑になりかけているんだ」
「えッ」
「一月五日の晩、お前と一緒に船の中で一と晩過したという証が立ちさえすれば助かる。サア、こうしているうちにも処刑が済むかも知れない。早、早く、早く」
「そいつは知らなかった。俺は海の上にばかりいる人間だ。サア、どこへでもつれて行ってくれ。一月五日には永代の下で、一と晩この俺と小三郎は話していた」
用意した三梃の駕籠、三人はまず数寄屋橋内南町奉行所に飛ぶと、そこに待っていた与力笹野新三郎は、手を廻して老中の奥印を捺した赦免状を用意していました。
「それッ」
新たに人足を代えて、三梃の駕籠は鈴ヶ森へ――。
平次と八五郎が、赦免状と生き証人をつれて鈴ヶ森に乗込んだ時は、午刻(十二時)を遥かに過ぎてもう未刻(二時)近くなっておりました。
お美乃の努力にも限度があります。六尺棒で押し隔てられて、竹矢来の外につまみ出されると、改めて囚人小三郎を馬からおろし、役人がもういちど罪状を読み聴かせた上、目隠しをして磔刑柱に掛けるのです。