Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
当時の東京毎日新聞にいた三津木春影は、姉妹新聞の報知にいた私と一脈の関係にあり、その作物には常に注目を怠らなかったが、そのモーリス・ルブランの翻訳『奇巌城』や『八一三の秘密』がどんなに当時の私を喜ばせたかわからない。明快な文章や、歯切れの良い調子が、私を夢中にしたといってもよい。
私はそれから及ぶ限りルブランの英訳本を仕入れた。私はフランス語の出身ではあるが、長い間の怠慢で、フランス語は揮発してしまって、も早読む根気はなく、手っ取り早く英語のルブランを集めたのであるが、新聞紙法違反で入獄する友人のために、その全部を寄贈してしまって、その後どうなったかわからない。そして、私のルブラン熱も次第にさめていった。コナン・ドイルは幾度でも読めるが、モーリス・ルブランは派手ではあるが幾度も読む根気はない。ドイルとルブランの違いは判然している。
それと並行して、当時の読書界の流行は、私までもロシア文芸の惑溺に引き摺り込んでしまった。特にツルゲネーフと、ドストイェフスキーは私を夢中にさせ、ゴルキーやチェホフまで乗り出したが、トルストイはどうにも食い付けず、『アンナ・カレニナ』