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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「五日の晩、わざと遠方の安宅長屋へ行って、人に知れると恥になるような証拠を拵えたのは、幾松の並々ならぬ悪智恵だ。その場にいない証拠に、船比丘尼などを出すのは人情の裏を行った逆手さ」

平次はガラッ八にせがまれて、絵解きをしてやりました。事件が落着して四五日のことです。

「なるほどね」

「小三郎の脇差で久兵衛を殺し、一と通り洗って自分の行李へ入れて置いたのも行届いた悪企みだ。あれを見た時は俺も下手人はてっきり小三郎に違いないと思ったよ」

「なんだって幾松は主人を殺す気になったんでしょう」

「幾松にしてみれば、赤の他人の小三郎が三文字屋を継ぐことになったのが癪にさわったのさ。小三郎を久兵衛の本当の子と知らないから、三文字屋の血を引く自分の方が跡を継ぐのが本当だと思ったんだろう。久兵衛を殺して小三郎が下手人で処刑になれば、三文字屋の身上とお美乃は幾松の自由になるじゃないか」

そう言われると、幾松が下手人らしくなります。

「もう一つ解らないことがあるんだが――」

「なんだい」

「お磯はなんだって小三郎をひどく言ったんでしょう」

「お美乃に取られたような気がして口惜しかったのさ」