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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

小峰右内は、武家の御用人らしくもなく、少し顛倒しておりました。

「親分」

八五郎は後ろから跟いて来た平次に場所を譲りました。

婆やのお篠は、五十前後の巌乗な女で、いざとなったら、相当力もありそうですが、不思議なことに大して争った様子もなく、床から半身をのり出してはおりますが、至って平穏に死んでいるのです。

「八、少し起してみてくれ、――お前は足の方を持つんだ、――あッ噛み付くぜこの仏様は」

平次は死骸の頭を抱えて、床の上に真っ直ぐに起しながら、そんな事を言うのです。

「親分、脅かしちゃいけません」

ガラッ八はドキリとした様子でふり返りました。

「首を起した弾みで、歯が鳴ったんだよ。心配することはねエ」

「あんまり結構な人相じゃないから、ツイドキリとしますよ」

「罰の当ったことを言うな。――この紐は少し華奢なようだが」

「その代り丈夫ですよ、真田紐だから」

平次は兇器に使われた、萌黄の真田紐を取上げました。

「こいつは何に使った品だろう。刀の下緒じゃなし、前掛けの紐じゃなし、ひどく新しいが――」

平次は萌黄染料の匂いを嗅ぎながらそんな事を言うのでした。

「お嬢様の御道具の箱を縛った紐だ」