Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
ドカドカと入る三人の姿を、娘は顔をあげて怨めしそうに眺めましたが、すぐまた眼を伏せて、きかん気らしい唇をキッと結びました。ガラッ八がすっかり有頂天になって、手持の語彙を総仕舞にしただけあって、悩ましき情景の中に据えるにしては、この上もない妖艶さでした。
「どうしたことです、これは?」
平次は娘と用人の顔を等分に見比べました。
「この娘が怪しいとでも思わなきゃ――」
右内は苦りきっているのです。
「それは?」
「見も知らぬ人間が、明日は祝言というお嬢様の代りになっていたり、何か仔細を知っていそうな婆やが殺されて、首に巻いてあった細紐がこの部屋から出た品だったり、疑えばいくらも変なことがある。殿様がこの娘を責めてみろとおっしゃったのも無理はあるまい」
「御尤もですが、こんなにひどく縛っちゃ可哀想です。どれ」
平次は娘の後ろに廻ると、小手と首を締め上げた扱帯を解いて、その前に片膝を突きました。
「さて、改めて聴くが、お前はどこの誰だえ? 誰に頼まれてここへ入って来たんだ。――人殺しの疑いを受けているから、用心をして返事をするがいい。――黙っていちゃ、言い訳の出来ないものと思われるかも知れないよ」