Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「さて、一番怪しいと思うのは誰だろう」
平次は妙な事を言い出しました。
「浪人者の大井半之助だ」
喜八は言下に応えます。
「川向うで嫁入行列をやったのは三人、その間に空巣狙いをやったのと、お夏を誘拐したのが一人か二人あるはずだ。――そのうち伊太郎と照吉は死んでしまった」
と平次。
「あと二人あるわけだね、親分」
「三人かも知れない。が、もう尾久には居ないだろう。一と晩五両十両の仕事になれば、江戸から稼ぎに来るのはいくらでもある」
と平次。
「じゃ皆んな逃げたかもしれないというんで?」
八五郎は少しがっかりしました。
「いや一人だけは残っている。大事の仕事が残っているはずだ。――そろそろ出かけてみようか」
「どこへ――」
「ツイそこだ」
平次は八五郎と喜八を誘って闇の中へブラリと出ました。
五六丁行くと、清水屋敷の前へ出ます。
「八と喜八兄哥はここで待っていてくれ。入る奴を縛っちゃいけない、出る奴を縛るんだ。誰でも構わない」
「親分は?」
「裏にいるよ。手剛いから、怪我をしないように気をつけろ」
三人は二た手に分れました。
それから一刻(二時間)あまり。
闇の中から湧いたような男が一人、清水屋敷の表からそっと入って行って、四半刻(三十分)ほど経つと、もとの表口から四方を忍ぶ様子でスルリと滑り出しました。