Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「銭形の親分さん、始めてお目にかかります。――私はあの、市ヶ谷御納戸町の宗方善五郎様の厄介になっている茂与と申すものでございます」
少し武家風の匂う折目の正しい挨拶を、平次は持て余し気味に月代を撫でました。
「で、どんな用事で来なすった」
煙草盆を引寄せて叺の粉煙草を捻りましたが、火皿に足りそうもないので、苦笑いに紛らせてポンと煙草入を投ります。
「外でもございません。私が厄介になっております、宗方家の主人善五郎様は、ゆうべ人手に掛って相果てました」
「殺されたと言いなさるのかい」
「ハイ、殺されたとなりますと、何かと後が面倒なので、御親類方が集まって、自害の体に拵え、たくさんのお金まで費って、証人の口を塞ぎました。明日お葬いを済ませば、死人に口なし、それっきりになってしまって、殺した人は蔭で笑っていることでございましょう」
「お前さんはそれが気に入らないというのかえ」
「宗方善五郎様は五十を越した御浪人ですが、元は立派な御武家でございます。御武家が死にようもあろうに首を吊って死んでは、お腰の物の手前末代までの恥でございます」
平次は尤もらしく手などを拱きました。